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せきろぶろぐ

SEKIROのSSまとめ、腐向けが8割なので閲覧注意、カプはカテゴリーでわけてます

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修羅鬼(九郎×狼)
九郎と狼、修羅ED後




かつての主であったその人と交わった。
それは強姦だったかもしれない、同意を得ていないという意味で。
そしてもっと正確にと解釈を求められるならそれはただの自慰であった。
この、行き場のない感情を発散させるだけの行為だ。

申し訳ないという想いが脳裏を掠めたが、それはほんの数刻のことであって、すぐに申し訳なさは快感にすり替わった。
あの人はこんな風に男を受け入れるのか、と思えば欲望は止まらなかった。
事実男と、いや人と交わるということ自体初めてだったのだろう。
最後まで鳥肌を立てていたし、こちらのものになど触れることはおろか視ることもしなかった。
慣れてないということがわかる態度に、逆に興奮が止まらない。
慣れてないこの体にあんなことも、こんなこともしたい。

この手で性的にふれたらどんな抵抗をするのだろうと、何度か思ったことがある。
魔が差すことがないといえば嘘になった。
あの何も身に付けない裸の御御足に汚い視線を投げる者共を制しながら、それはあなたが誘っているのだと思っていた。

あの人をからかってみたいとか、たまにはこっちが上位に立ちたいとか、そんな思いも無ではなかった。
こうして増幅された想いは、その醜い膨張を留めることができない。
そしてもっと近づきたいと、いう思いと。
ただ、その人とする行為というものに興味があったからだ。

己が実行に移したとき、発せられるであろう相手の言葉―― それは「やめろ、無礼だぞ」といような拒否的なそれだった。
容易に想像がついたそれらの言葉は、実際に行動に起こせば似たようなものを耳にできた。
想像通りにじたばたとしてくれることがうれしくて、想像でしかなかったものを実行するにあたり、変化球をつけていく。

想像はあくまでも想像でしかない。
自分の手で未知である肌の感触は汗をかいていたが、思ったよりもずっとなめらかで心地よい。
まだ未成熟の男子というものはすばらしい。こんなにもきめ細やかで滑らかだ。
驚くほどに抵抗なく大胆に手が動いてしまう。動かすことでさらに汗ばむ肌に、交わいをしてるという意識が明確になっていく。
「女みたいです」と思わず声が漏れる、感に触ったのか、その人の口は畳み掛けるようにののしり始めた。
息が上がっていたのが、失敗だった。その声は驚くほどに、こちらの聴覚を敏感に刺激した。手が動く、その人の下着の中にまで手が動く。
濡れている、肌よりももっと濡れている。

「九郎様・・」
「いい、かげんにしてくれ・・!!!!これ以上やったらっ・・」
「やったら?」
「お主は、どうかしてる・・っ」
「見ましたでしょう、九郎様・・すばらしい炎だった」
さきほど、自分が赤い不死斬りで大男をさし、もうひと振りを手にしたら左腕に仕込んである義手が燃えた。
ずっと燃えたかったようだった。本当の自分の姿を取り戻したかのように、息吹を感じさせる脈を打ち出した。
黒を持つこと、それは元の義手の持ち主の悲願だったのかもしれぬ。
まだそれは嬉しさに燻りを続けている。消えそうにない。

「・・・・おおかみよ、私が嫌い、なのか・・?」
「いいえ、あなたを尊敬してます」
「・・・尊敬して、こんなことするのか。」
「敬愛の行き過ぎた行為と思えばいい」
「・・・。」
「それで、きっと、あなたも救われます」

口から出た嘘やごまかしであった。
が、その人は何を感じたのか・・それより口を閉じてしまった。
いつものように発してくれるでる柔らかな言の葉も言わなくなってしまった口。
正直、こんな状態になった(明らかに普段のこの人ではない)彼をどうにかするのは気が引けた。
でも、そう、それは初めだけで、快感が来てくれた。すぐに自分のやりたいことだけをすることができた。

ああ、声が聴きたい。

「もう竜胤の御子であることを、肩に背負わないで良いのです」
「・・・・っ・・」
「恨みもありましょう、憎しみもありましょう、あったはずです。いまこそ、吐き出して、くだされ」

声が聴きたい。

「九郎様」
口を寄せた。

「――――っ!」

次の瞬間、耳を劈くような咆哮があがった。
天守の炎は渦を巻き、柱のように燃え上がる。
崩れていく火柱の中で、自分の身が燃え、竜が身を焼きながら食らいついてくるのを感じる。
竜と一体になりながら、身は鬼となる。
それは堪らない、極上の快楽だった。

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